2008/3/8

弁護士法に関するコンプライアンス-スルガコーポレーションのケース

Filed under: (4)企業間・社会・環境コンプライアンス — 家坂圭一 @ 2:49

■ニュースの概要

東証2部上場の不動産会社スルガコーポレーション が千代田区麹町にあった秀和紀尾井町TBRビル(Googleマップ)の立ち退き交渉にあたり、光誉実業なる会社に交渉を依頼。
スルガ社から所有権の譲渡を受けたとして、光誉実業は所有者の立場で立退き交渉を行ったが、この譲渡は立退き交渉を依頼するための仮装行為であり、実態を伴うものではなかった。
したがって、光誉実業の行為は非弁護士による法律事務に該当し、弁護士法72条に違反する。
このような論理で、警視庁組織犯罪対策4課は光誉実業の社長らを逮捕。
光誉実業は指定暴力団と関係が深いとされ、スルガ社から光誉実業に支払われた報酬の一部が指定暴力団に流れたのではないか、と疑われている。

■非弁護士による法律事務の禁止

1.弁護士法72条の趣旨

弁護士法72条は以下のように規定しています。

第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

細かい話はあとでやりますが、まずは要約してみると、以下のようになるでしょう。
弁護士でない人が、報酬を得る目的で、法律事務を取り扱うことを業としてはいけない。

では、なぜこのような行為が禁止されるのでしょうか。
その点について説明している最高裁判例があります。

同条制定の趣旨について考えると、弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とし、ひろく法律事務を行なうことをその職務とするものであつて、そのために弁護士法には厳格な資格要件が設けられ、かつ、その職務の誠実適正な遂行のため必要な規律に服すべきものとされるなど、諸般の措置が講ぜられているのであるが、世上には、このような資格もなく、なんらの規律にも服しない者が、みずからの利益のため、みだりに他人の法律事件に介入することを業とするような例もないではなく、これを放置するときは、当事者その他の関係人らの利益をそこね、法律生活の公正かつ円滑ないとなみを妨げ、ひいては法律秩序を害することになるので、同条は、かかる行為を禁圧するために設けられたものと考えられるのである。

全て一文(途中に”。”がない!)で333文字もあり、かなりややこしいので、図にまとめてみると、こんな感じです。
つまり、「資格も持たず、規律も守らない人(非弁護士)が、金儲けのために他人の法律事務に口を出すようなことを認めると、最終的には法律秩序を害する」ということが理由になっています。

弁護士法72条の趣旨

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2008/1/27

グリーン購入法に関するコンプライアンス-製紙各社のケース

Filed under: (4)企業間・社会・環境コンプライアンス — 家坂圭一 @ 20:41

■ニュースの概要

年賀はがき日本製紙の年賀再生紙はがきに関する古紙配合率偽装にはじまった「再生紙偽装問題」は、その後、 次々と製紙業界各社に拡大。さらに、年賀はがきにとどまらず、印刷用紙や情報用紙(コピー用紙など)にも偽装があったことが発覚。
現在までに偽装行為があったことを認めている製糸業者は、日本製紙連合会加盟業者のうち16社に加え、加盟していない1社を含め、17社にも上っている。

印刷用紙・情報用紙は、国の機関等に環境物品等(環境への負荷の低減に資する原材料)の調達を義務付けたグリーン購入法の対象であり、これに関する古紙配合率の偽装は、国を挙げての環境対策に真っ向から反するものである。

●関連サイト

会社名
(LINK)
シェア
(%)
1 日本製紙 29.1
2 王子製紙 23.3
3 北越製紙 8.4
4 大王製紙 8.0
5 三菱製紙 7.6

[出所] 日経ナビ2008:シェア調査

■グリーン購入法の仕組み

1.目的

グリーン購入法は、その正式名称を「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」といいます。2001年に制定されたこの法律は、

  1. 国等が環境物品等の調達の推進
  2. 環境物品等に関する情報の提供
  3. その他の環境物品等への需要の転換

を促進するために必要な事項を定めることにより、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を図り、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的としています(同法1条)。

2.具体的な流れ

グリーン購入法の仕組み1

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2008/1/4

反社会勢力への対処-都営住宅の暴力団排除

Filed under: (4)企業間・社会・環境コンプライアンス — 家坂圭一 @ 21:47

団地 東京都は、都営住宅に入居している暴力団員5人に退去勧告を出した。警視庁に紹介した結果、暴力団員であることが判明したことを受けての措置。
東京都は昨年6月に都営住宅条例を改正し、暴力団員の入居を拒み、また、入居後も退去を勧告できる制度を導入していた。今回の措置は、この改正条例の初の適用。

国土交通省は昨年6月、公営住宅から暴力団員を排除するよう都道府県に通知。警察庁も都道府県等と連携して情報提供ができるシステムを構築している。

●参照記事

  1. NIKKEI NET(日経ネット):社会ニュース-組員5人に退去勧告・都営住宅、条例を初適用
  2. 中日新聞:暴力団員5人に退去勧告 都営住宅、条例初適用:社会(CHUNICHI Web)
  3. 都営住宅 「組員理由」退去勧告 都の暴対、5人に異例措置(産経新聞) - Yahoo!ニュース

●参照サイト

  1. 【国土交通省】公営住宅における暴力団排除に係る通知の発出について
  2. 【東京都都市整備局】都営住宅の入居資格

●他の方のBlogでは

  1. 愛煙家の多事総論 その男、組員につき
  2. 見たこと聞いたこと: 暴力団の引取先は?
  3. 少子高齢化の溜め息 : 暴力団員の確認

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競争入札妨害-唐津市のケース

Filed under: (4)企業間・社会・環境コンプライアンス — 家坂圭一 @ 1:57

■ニュースの概要

唐津市が発注した航空写真撮影業務に関する入札において、市総務部長、建設コンサルタント会社の前社長、不動産会社役員の3人が共謀して不正行為を行った。
前社長の会社に落札させるため、市総務部長が予定価格と指名業者名を漏洩し、公正な入札を妨害した疑い。
この行為が偽計による競売入札妨害罪にあたるとして、12月28日、佐賀県警は3人を逮捕。

建設コンサルタント会社は、予定価格3,093万円のところ、970万円で落札。
契約上、デジタル撮影をすべきところをフィルム撮影で済ませたとして、前社長は13日に詐欺容疑で逮捕されていた。

■唐津市ポータルサイト
【唐津市議の方のBlog】★がんばってます!吉原まゆみ★

●参照記事

  1. [唐津市総務部長を逮捕 競売入札妨害容疑 予定価格など漏えい 佐賀県警] / 社会 / 西日本新聞
  2. 唐津市総務部長逮捕、強制捜査に市役所動揺 : 地域版ニュース九州 : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
  3. 唐津市総務部長ら3人、競争入札妨害で逮捕 - 佐賀新聞

■競売入札妨害罪の仕組

入札とは、公の機関(国・地方公共団体など)が物件の購入、工事の請負などの競争契約の締結のため、競争に加わる者に文書によって契約内容を表示させ、最も有利な内容を提示したものと契約を締結する手続のことをいいます。
参加する各業者が公正かつ自由な競争を行うことによって、公の機関が最低限の費用で契約を締結することができるというシステムです。

競争入札

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2007/12/19

著作権法に関するコンプライアンス~映画「シェーン」の著作権保護期間

Filed under: (4)企業間・社会・環境コンプライアンス — 家坂圭一 @ 22:33

■ニュースの概要

シェーン
映画『シェーン』につき、パラマウント・ピクチャーズ・コーポレーション東北新社が、DVD製造販売会社などを相手どり、格安DVD販売の差し止めや損害賠償を求めた訴訟につき、最高裁判所が判決を下した。

1953(昭和28)年に公開された映画の著作権の保護期間が、

  • 改正前の著作権法によって50年間とされるのか、
  • 改正後の著作権法を適用して70年間となるのか、

が争点。

保護期間延長についての経過措置は適用されず、旧法に従い50年間の保護しか受けられないため、2002(平成14)年をもって著作権は消滅している、と最高裁判所は判断、販売差し止めや損害賠償の主張を認めなかった。

■【最高裁判所】この事件に関する判決

●参照記事

  1. asahi.com:53年映画、著作権消滅 最高裁、格安DVD認める - 社会
  2. 「シェーン」格安DVDはOK 改正著作権法の適用外、判決確定 - ITmedia News

■著作権法の仕組

著作権保護期間

2004(平成16)年1月1日から施行されている改正著作権法では、映画の著作権の保護期間が50年間から70年間に延長されています。

著作権の保護期間は、「公表の日から」というように日単位で考えるのではなく、「公表された日の属する日の翌年から起算する」と年単位で考えます(著作権法57条)。
例えば、今日(2007年12月19日)公開された映画だとすれば、2008年1月1日からを保護期間とするわけです。
つまり、2077年12月31日まで著作権が保護されます。
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2007/12/7

下請法に関するコンプライアンス-ホーチキ子会社

Filed under: (4)企業間・社会・環境コンプライアンス — 家坂圭一 @ 21:17

■ニュースの概要

火災報知器公正取引委員会は、火災報知機大手ホーチキの保守点検子会社であるホーチキメンテナンスセンターに対し、下請法違反(減額・買いたたきの禁止)を認定し、改善を求めて勧告を出しました。

2006年1月から07年4月までの間に、下請け業者20社に対し「出精値引」として一定額(代金の10.5~17.5%)を差し引いたことに対する処分。

不当に減額した下請代金は約2億1500万円。 同社は、反省・改善を表明、減額分は既に返金済みという。

■【公正取引委員会(PDF】株式会社ホーチキメンテナンスセンターに対する勧告について

●参照記事

  1. NIKKEI NET(日経ネット):社会ニュース-内外の事件・事故や社会問題から話題のニュースまで
  2. asahi.com:下請け代2億円、不当に値引き 報知機の点検会社 - 社会
  3. ホーチキ<6745.T>の子会社に対し、下請法違反で是正勧告=公正取引委員会 | Reuters

■下請法の仕組

下請法の構造

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2007/12/6

家電リサイクル法に関するコンプライアンス-コジマの問題

Filed under: (4)企業間・社会・環境コンプライアンス — 家坂圭一 @ 23:57

■ニュースの概要

冷蔵庫大手家電量販店コジマで、平成16(2004)年4月~平成19(2007)年9月末までに引き取った廃家電約372万台のうち、76,745台が製造業者等に引き渡されていないことが判明。
経済産業省・環境省は、家電リサイクル券の管理が適切でなかったことが原因として、リサイクル券の管理等の義務を確実に履行するように是正を勧告。

  1. 【環境省】 報道発表資料-平成19年12月5日-家電リサイクル法対象機器の不適正処理に係る勧告及び報告徴収について
  2. 【経済産業省】 家電リサイクル法対象機器の不適正処理に係る勧告及び報告徴収について

●参照記事

  1. 東京新聞:【関連】<解説>廃棄先の実態解明を 問われる『販売優先』体質:経済(TOKYO Web)
  2. NIKKEI NET マネー&マーケット:国内株-ホットニュース
  3. 日刊工業新聞 Business Line
  4. コジマ7万6745台不適正処理、2度目の是正勧告 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

●参考サイト
■RKC (財)家電製品協会 家電リサイクル券センター

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2007/12/4

第4巻 企業間・社会・環境に関するコンプライアンス

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  目次 関連記事
01 不正競争防止と独占禁止法  
02 不正競争防止(1) 談合・価格カルテル 唐津市

航空運賃

03 不正競争防止(2) 不公正な取引方法  
04 下請法 ホーチキ子会社
05 知的財産権の強化(1) 産業財産権  
06 知的財産権の強化(2) 著作権 映画シェーン
07 不正競争防止と営業秘密やノウハウ  
08 反社会的勢力への対処 都営住宅の退去

スルガコーポレーション 

09 環境基本法、環境アセスメント法  
10 廃棄物処理法、リサイクル関連法 コジマ

再生紙偽装

2007/12/3

ファーストクラスが激安?~価格カルテル(独禁法)

Filed under: (4)企業間・社会・環境コンプライアンス — 家坂圭一 @ 22:20

飛行機と空港

■IATA運賃協定

エコノミークラスの運賃に格安・激安があるのに比べると、
ビジネスクラス、ファーストクラスの料金は異常に思えるほど高額になっています。

これはなぜかというと、国際交通運賃については航空運送事業者(航空会社)間での価格協定(価格カルテル)が認められているからです。
具体的には、IATA(イアタ。国際航空運送協会)というところで、IATA運賃協定を結んでおり、したがって、IATAに加盟する航空会社であれば、どの会社でも同一の運賃になります。

※IATA(国際航空運送協会)
1945年にハーグで結成された世界の民間定期航空会社の団体。
国際航空運賃の決定や会社間の運賃貸借の決済を行っている。
■International Air Transport Association(英語)
■国際航空運送協会 - Wikipedia
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