2008/3/21

訪問販売に関するコンプライアンス-JUKI子会社のケース

Filed under: (3)消費者コンプライアンス — 家坂圭一 @ 21:52

■今回のケースでは

1.特商法の「訪問販売」に該当

家庭用ミシンは特定商取引法の指定商品にあたります(特商法施行令別表第一第13号)。
営業所、代理店等以外の場所である消費者宅で、ミシンの販売を勧誘するというのですから、これは訪問販売にあたります(特商法2条1項1号)。
だとすれば、ミシンの訪問販売にあたっては、特商法のルールを守る必要があります。

2.訪問目的の明示(特商法3条)

ミシン販売の勧誘のために消費者宅を訪問しているにも関わらず、「ミシンの無料点検です。」「修理しますよ。」などと告げています。
これでは訪問目的を明示しているとはいえません。

「無料なら点検だけでもしてもらおうか。」
という消費者の心理に付け込んで家庭に上がり込み、結局は販売勧誘である、というやり方は「点検商法」と呼ばれます。
リフォーム詐欺などで繰り返し問題になってきた違法な商法です。

3.禁止行為

(1)不実告知(特商法6条1項6号)

十分な点検もしていないのに、「修理不能」「交換部品の入手不能」などと事実と異なる発言をしています。
修理不能だと言われれば、消費者の気持ちは「新しいのを買おうかな」という方向に傾くことでしょう。つまり、「新しいミシンを買うことが必要だ」と思わせているわけです。
このような販売員の発言は、売買契約の締結を必要とする事情に関する事項に関する不実の告知であり、禁止されています。

(2)債務の履行拒否(特商法7条1号)

商品を買うかどうかは消費者が決めることです。また、いちど「買う」と言ったとしても法はクーリング・オフという契約解除の手段を認めています。
それにも関わらず、「返したい」という消費者の意思に応じなかったり、「使い方は丁寧に教えるから信用してくれ」などと言って、消費者の権利を妨害することは許されません。

特商法ではこれらの妨害行為を「債務の履行拒否の禁止」と表現しています。

(3)迷惑勧誘(特商法7条3号)

「使わないので不要です。」「夕食の支度があるから帰って。」などと言っている消費者に対してなおも勧誘行為を続けることは、迷惑を覚えさせるような仕方による勧誘に当たります。

(4)判断力不足に乗じた勧誘(特商法7条3号)

高齢の消費者や認知症患者などの判断力の不足に乗じて契約を締結させたり、知識・経験・財産状況に照らして不適当な勧誘を行うことは禁止されています。

コメント (2) »

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