特定継続的役務提供に関するコンプライアンス-ラ・パルレのケース
■特定商取引法の概要
一定の販売方法(特定商取引)に関し、消費者を保護するためのルール(=販売業者が守るべきルール)を定めるのが特定商取引法です。
この法律では、以下の6つの販売方法を特定商取引と呼んでいます。
| 種類 | 具体例 | |
| 1 | 訪問販売 | 家庭・職場を訪問して販売 キャッチセールス アポイントメントセールス |
| 2 | 通信販売 | テレビ・ラジオや新聞・雑誌の通販 ネット通販 |
| 3 | 電話勧誘販売 | 語学講座への入会などを電話で勧誘 |
| 4 | 連鎖販売取引 | マルチ商法 ネットワークビジネス |
| 5 | 特定継続的役務提供 | 語学教室・学習塾・エステなどの継続的サービス |
| 6 | 業務提供誘引販売 | 内職商法 モニター商法 |
※このうち訪問販売については既に一度取り上げたことがあります。
■ニュースで学ぶコンプライアンス » 訪問販売に関するコンプライアンス-JUKI子会社のケース
■特定継続的役務提供に関する規制
1.特定継続的役務提供契約とは
今回のケースで問題になっているのは特定商取引のうち特定継続的役務提供です。
ややこしい言葉なので、もう少し分解して考えましょう。
(ここではアウトラインのみ。詳細は徐々に説明します。)
- 「特定」というのは法による規制の対象として取り上げる特定のものという意味です。
- 「継続的」とは、1回限りではなくある程度の期間に渡って繰り返し提供されるというような意味です。
- 「役務」(えきむ)というのはサービスのこと。つまり物を販売するのではなく何らかのサービスを提供する行為が規制の対象です。
つまりこういうことです。
物の売り買いであれば、消費者は店頭で手にとって調べることにより、自分の求めるものかどうか、適切な値段かどうか、を丁寧に調べることができます。
しかし、サービス(役務)というのは、そのサービスを受けてみないと分からないところがあるわけです。
例えば、日本一のカリスマ美容師であっても、その人のカットが自分にとって適切かどうか、は「試してみないと分からない」という部分が残ってしまいます。
ヘアカットであれば、「1ヶ月間くらい違和感と周囲の目に耐える」「二度と行かない」くらいの対策で解決(?)できるかも知れません。
しかし、もっと大きな問題を発生させるサービスもあります。
それは、「やせる」「うつくしくなる」といったサービスや、「成績が上がる」「英語が話せるようになる」というような学習指導のサービスの場合です。
これらのサービスの場合は、効果を得るためには一定期間受け続ける必要性があり、その期間を経過してみなければ効果が上がったか判断できません。
また、高額なサービスになることが多いのでクレジットなどの分割払いになることが多く、その点でも問題が大きくなります。
サービスを途中解約したときにどうなるか、そのときにクレジットの返済もやめることができるのか、という問題が発生するからです。
そこで、特定商取引法は、一定のサービスを特定継続的役務提供ととらえ、販売や契約の方法に規制をかけることにしたのです。
2.具体的には
特定継続的役務提供とは、以下の要素をみたしたものをいいます。
- 特定継続的役務を
- 政令で定める期間を超えて提供し、
- 政令で定める金額を超える支払を受ける契約
分かりにくい表現ですが、それぞれ政令で補充されており、具体的には以下のものをいうことになります。
| 特定継続的役務 | 期間 | 金額 |
| エステティックサロン | 1ヶ月超 | 総額5万円超 |
| 語学教室 | 2ヶ月超 | |
| 家庭教師・通信指導等 | ||
| 学習塾等 | ||
| パソコン教室 | ||
| 結婚相手紹介サービス |
3.特定継続的役務提供に関する規制
特定継続的役務提供事業者には以下の義務が課されます。
(これ以外にも義務・規制があります。この表は今回のケースに関連するものだけです。)
| 種類 | 具体例 | |
| 書 面 交 付 義 務 |
概要書面 (42条1項) |
契約を締結する前に契約の概要に関する書面を消費者に交付しなければなりません。 |
| 契約書面 (42条2項) |
契約を締結したときには、契約内容を明記した書面を交付しなければなりません。 | |
| 誇大広告の禁止 (43条) |
著しく事実に相違する広告、実際よりも著しく有料・有利であると誤認させる広告は禁止されています。 | |
| 禁 止 行 為 44 |
不実の告知 (1項) |
サービスの内容や値段、支払方法や時期などに関して、事実と異なることを告げてはいけません。 |
| 事実の不告知 (2項) |
事実を故意に告げないことも禁止されています。 | |
| 威迫・困惑の禁止 (3項) |
契約を締結したり解除を妨げるために、消費者を脅して困らせてはいけません。 | |
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ピンバック by ニュースで学ぶコンプライアンス » 第3巻 消費者に関するコンプライアンス — 2008/3/26 @ 18:58