2007/12/7

下請法に関するコンプライアンス-ホーチキ子会社

Filed under: (4)企業間・社会・環境コンプライアンス — 家坂圭一 @ 21:17

■ニュースの概要

火災報知器公正取引委員会は、火災報知機大手ホーチキの保守点検子会社であるホーチキメンテナンスセンターに対し、下請法違反(減額・買いたたきの禁止)を認定し、改善を求めて勧告を出しました。

2006年1月から07年4月までの間に、下請け業者20社に対し「出精値引」として一定額(代金の10.5~17.5%)を差し引いたことに対する処分。

不当に減額した下請代金は約2億1500万円。 同社は、反省・改善を表明、減額分は既に返金済みという。

■【公正取引委員会(PDF】株式会社ホーチキメンテナンスセンターに対する勧告について

●参照記事

  1. NIKKEI NET(日経ネット):社会ニュース-内外の事件・事故や社会問題から話題のニュースまで
  2. asahi.com:下請け代2億円、不当に値引き 報知機の点検会社 - 社会
  3. ホーチキ<6745.T>の子会社に対し、下請法違反で是正勧告=公正取引委員会 | Reuters

■下請法の仕組

下請法の構造

●下請法の目的

下請取引においては、親事業者が下請事業者に対して優越的な立場に立ち、不利益な取引条件を押し付けたり、代金の支払を遅延したり、減額したり、という事態が多々ありました。 これらの弊害を防止するために定められたのが下請法(下請代金支払遅延等防止法)です。 つまり、この法律の目的は、下請取引の公正化・下請事業者の利益保護にあります(下請法1条)

●下請関係とは

下請法では、まず下請関係について定義します。 この関係があるかないか、は、

  1. 親事業者、下請事業者それぞれの資本金の規模
  2. 取引の内容

によって決定されます。

●禁止事項

下請関係において、親事業者が遵守すべき行為(禁止事項)は、次のように法定されています(下請法4条)。 これらに違反した場合には、公正取引委員会から、是正措置をとるべく勧告されることになります(下請法7条)

条文 禁止事項 内容
1号 受領拒否 注文した物品等の受領を拒むこと。
2号 下請代金の支払遅延 下請代金を受領後60日以内に定められた支払期日までに支払わないこと。
3号 下請代金の減額 あらかじめ定めた下請代金を減額すること。
4号 返品 受け取った物を返品すること。
5号 買いたたき 類似品等の価格又は市価に比べて著しく低い下請代金を不当に定めること。
6号 購入・利用強制 親事業者が指定する物・役務を強制的に購入・利用させること。
7号 報復措置 下請事業者が親事業者の不公正な行為を公正取引委員会又は中小企業庁に知らせたことを理由としてその下請事業者に対して,取引数量の削減・取引停止等の不利益な取扱いをすること。

●参考サイト

■公正取引委員会:下請法

■今回のケースでは

ホーチキメンテナンスセンター社が下請業者に対して、下請代金の減額を求めたことが、減額・買いたたき行為にあたるとされました。 「出精値引」の名目であっても、実質的には、親事業者の下請事業者に対する優越的な地位の利用とされたわけです。 このため、公正取引委員会は、改善を求めるべく勧告をすることになりました。

■関連テキスト項目

テキスト4-04

■他のブログでは

  1. ::::弁護士 川村哲二::::〈覚え書き〉::::: ホーチキ子会社の下請法違反勧告(公取委)
  2. 弱い者イジメは許し難い。。。 は~とnoエース /ウェブリブログ

■関連する法令

下請代金支払遅延等防止法(下請法)

第1条(目的)
この法律は、下請代金の支払遅延等を防止することによつて、親事業者の下請事業者に対する取引を公正ならしめるとともに、下請事業者の利益を保護し、もつて国民経済の健全な発達に寄与することを目的とする。

第3条(書面の交付等)
1 親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、直ちに、公正取引委員会規則で定めるところにより下請事業者の給付の内容、下請代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を記載した書面を下請事業者に交付しなければならない。ただし、これらの事項のうちその内容が定められないことにつき正当な理由があるものについては、その記載を要しないものとし、この場合には、親事業者は、当該事項の内容が定められた後直ちに、当該事項を記載した書面を下請事業者に交付しなければならない。
2  親事業者は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該下請事業者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて公正取引委員会規則で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該親事業者は、当該書面を交付したものとみなす。

第4条(親事業者の遵守事項)
1 親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、次の各号(役務提供委託をした場合にあつては、第一号及び第四号を除く。)に掲げる行為をしてはならない。
一  下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の受領を拒むこと。
二  下請代金をその支払期日の経過後なお支払わないこと。
三  下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減ずること。
四  下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付を受領した後、下請事業者にその給付に係る物を引き取らせること。
五  下請事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い下請代金の額を不当に定めること。
六  下請事業者の給付の内容を均質にし又はその改善を図るため必要がある場合その他正当な理由がある場合を除き、自己の指定する物を強制して購入させ、又は役務を強制して利用させること。
七  親事業者が第一号若しくは第二号に掲げる行為をしている場合若しくは第三号から前号までに掲げる行為をした場合又は親事業者について次項各号の一に該当する事実があると認められる場合に下請事業者が公正取引委員会又は中小企業庁長官に対しその事実を知らせたことを理由として、取引の数量を減じ、取引を停止し、その他不利益な取扱いをすること。
(2項以下略)

第7条(勧告)
1 公正取引委員会は、親事業者が第4条第1項第1号、第2号又は第7号に掲げる行為をしていると認めるときは、その親事業者に対し、速やかにその下請事業者の給付を受領し、その下請代金若しくはその下請代金及び第4条の2の規定による遅延利息を支払い、又はその不利益な取扱いをやめるべきことその他必要な措置をとるべきことを勧告するものとする。
2  公正取引委員会は、親事業者が第4条第1項第3号から第6号までに掲げる行為をしたと認めるときは、その親事業者に対し、速やかにその減じた額を支払い、その下請事業者の給付に係る物を再び引き取り、その下請代金の額を引き上げ、又はその購入させた物を引き取るべきことその他必要な措置をとるべきことを勧告するものとする。
(3項以下略)

コメント (0) »

この記事にはまだコメントがついていません。

コメント RSS トラックバック URL

コメントをどうぞ

Powered by WordPress ME