2007/12/5

マンジュウ軽い?~食品に関する表示

Filed under: (3)消費者コンプライアンス — 家坂圭一 @ 23:46

■ニュースの概要

モランボン社が他社に製造委託していた肉まんなどの商品が表示した重量に不足していました。
具体的な商品名は「肉まん100g」「あんまん100g」「黒豚まん100g」で、それぞれ重量を明示していたようです(同社のお詫び広告(PDF)によります。)

販売先の店員が「いつもより小さい」と感じて同社に連絡したことで判明。
約32万個を自主回収することになりました。
「100グラム」と表示した商品が2~8グラム不足していたとのこと。

●参照記事

  1. 肉まん、軽かった…モランボンが32万個回収 - MSN産経ニュース
  2. 時事ドットコム:モランボン、「いつもより小さい」肉まん出荷=計量ミスで32万個回収

■計量法の問題

食品の原材料や製造年月日、消費期限、賞味期限などにつき、様々な問題が発生してきました。
今回は、食品の重さ(質量)の誤表示によるもので、法律でいえば計量法の問題になります。
(監督官庁は経済産業省です。)
計量法は、「計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することを目的」とするものです。
つまり、「内容量の面でゴマカシて、商品を販売することを防止する」ための法律です。

特定商品を販売する場合には、中身の商品自体の量(重さ)を測り、これを容器に表示しなければなりません(計量法12条1項・2項)

もちろん、重さには多少の誤差が生じることは仕方がありません。
この「認められる誤差」のことを、計量法では「量目公差」と呼んでいます。
今回の肉まんの場合、認められる量目公差は、2グラムです(特定商品の販売に係る計量に関する政令別表第2表1)
つまり、98グラム以上であれば、「肉まん100g」として販売しても誤差の範囲内だったことになります。

しかし、最大8グラム不足していたというのですから、誤差の範囲内を超えており、計量法に違反する量目不足ということになります。

●計量法に関する分かりやすい説明
「計量のはなし(PDF)」(社団法人日本計量振興協会)

■計量法による今後の流れ

今回の件が今後どのように推移するかは分かりません。
あくまで計量法の説明ということで書くと、今後以下のような対処がありえます。

1 報告の徴収

経済産業大臣、都道府県知事または市町村長は、製造者に対し、業務に関する報告をさせることができます計量法147条

2 立入検査

経済産業大臣、都道府県知事または市町村長は、商品・帳簿・書類その他の物件を検査したり、関係者に質問することができます計量法148条)。

■肉まんといえば

●ダスキン食品衛生法違反事件

ダスキンが運営する「ミスタードーナツ」で、無認可の食品添加物が入った肉まんを販売したという事件がありました。
これは食品衛生法違反のケースです。

この事件により、販売自粛等の損害が生じたため、株主代表訴訟が提起され、取締役らに賠償を命じる判決が出ています。

  1. 2007年度|ニュースリリース|株式会社ダスキン
  2. ◎ダスキン食品衛生法違反事件(牧野総合法律事務所)
  3. ビジネス法務の部屋: ダスキン株主代表訴訟控訴事件
  4. 悠法律事務所: 会社法(株主代表訴訟)
  5. ダスキン役員の「不作為」責任(株主と会社13) - 弁護士阪口徳雄の自由発言 - Yahoo!ブログ

●北京ダンボール肉まん事件

これはガセだったようなので、ここでは論じません…

■関連する法令

●計量法

第1条(目的)
この法律は、計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することを目的とする。

第12条(特定商品の計量)
政令で定める商品(以下「特定商品」という。)の販売の事業を行う者は、特定商品をその特定物象量(特定商品ごとに政令で定める物象の状態の量をいう。以下同じ。)を法定計量単位により示して販売するときは、政令で定める誤差(以下「量目公差」という。)を超えないように、その特定物象量の計量をしなければならない。
2  政令で定める特定商品の販売の事業を行う者は、容器に入れたその特定商品を販売するときは、その容器にその特定物象量を法定計量単位により、経済産業省令で定めるところにより、表記しなければならない。

●特定商品の販売に係る計量に関する政令

別表第2表1

表示量 公差(誤差)
5g以上50g以下 4%
50gを超え100g以下 2g
100g超え500g以下 2%
500gを超え1kg以下 10g
1kgを超え25kg以下 1%

■関連テキスト項目

現代企業経営3『消費者に関するコンプライアンス』
No.12「表示の問題」
テキスト3-12

現代企業経営2『従業員・株主に関するコンプライアンス』
No.07「株主代表訴訟・取締役等の責任」
テキスト2-07

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