2007/12/28

セクハラ、パワハラのコンプライアンス-東京大学のアカハラ

Filed under: (2)従業員・株主コンプライアンス — 家坂圭一 @ 22:59

■ニュースの概要

東京大学は、大学院元教授(男性、50歳代)の在職中の行為がアカデミック・ハラスメントに該当するとして「諭旨解雇相当」と決定、退職金の1/3を減額することとした。

大学院学生に対して、(1)長時間にわたる執拗な叱責、(2)いじめ行為、(3)指導の放棄、(4)過重な作業の指示などの行為があり、また、研究室所属の教員に対しても、理不尽な辞職要求や暴力的行為等を行っていたという。

時期 起こったこと
平成10~18年 アカハラ行為
元教授から辞職申出→東大は辞職を承認せず。
2週間後 雇用関係の消滅(民法627条1項)
平成19年12月26日 東大は「諭旨解雇相当」と決定(就業規則38条5号・39条5号)→退職金の1/3を減額(退職金規則6条3項)

【東京大学】記者発表-元教員によるアカデミック・ハラスメント行為にかかる懲戒処分について

●参照記事

  1. asahi.com:東大元教授のアカハラ 「諭旨解雇相当」と退職金減 - 社会
  2. SANSPO.COM > 社会-東大でアカハラ!院生らにいじめや暴力行った元教授を処分
  3. アカハラで東大元教授を処分 - 社会ニュース : nikkansports.com

■アカハラ(アカデミック・ハラスメント)とは

大学など学問の場でのパワー・ハラスメントを意味する言葉が「アカデミック・ハラスメント」といえるでしょう。

ここで、パワー・ハラスメントとは、

  1. 地位や立場の上下関係がある場合に、
  2. 「上」に立つ者が、「下」の者に対して不快な言動を行い、
  3. 困惑させたり、環境を悪化させることをいいます。

この不快な言動が、性的な内容のものであれば、これはセクシャル・ハラスメント(セクハラ)の問題ということになります。

また、パワハラが行われる場所・場面によって、アカハラドクハラ(ドクター・ハラスメント)などと区別されることもあります。

名称 場面(例)
パワハラ 職場における上司と部下の関係
アカハラ 大学における教員と学生、教授と助手などの関係
ドクハラ 医療機関における医師と患者の関係

●参考サイト

【京都第一法律事務所】教授のアカデミック・ハラスメントが発覚した…

■頻発するアカハラ・セクハラ

今回の東京大学のケース以外にも、大学におけるハラスメント問題が多数報道されています。

1.広島大学でのアカハラ問題(セクハラでもある)

教授(50歳代・男性)が、未成年の学生を飲酒させた上、自宅に誘って重大なセクシュアル・ハラスメント行為を行い、学生の就学環境に著しい影響を与えたとして「諭旨解雇」処分。

【広島大学】教員の懲戒処分について

2 山梨大学でのアカハラ問題

山梨大大学院教授(男性、50歳代)が、研究室所属の女子学生を「ちゃん」付けで呼び、学生に不快を感じさせたとして減給10,704円の懲戒処分となった。

  1. 東京新聞:学生『ちゃん』付けパワハラ 山梨 大男性教授を減給処分:社会(TOKYO Web)
  2. “ちゃん付け”は「アカハラ」…山梨大教授が減給処分:社会:スポーツ報知
  3. SANSPO.COM > 社会-名前に「ちゃん」付けはアウト!山梨大教授パワハラで減給処分

■他のブログでは

  1. 教育とは何か 東大が元男性教授を懲戒処分…院生・教員に嫌がらせや暴力
  2. 厳罰化後3カ月の飲酒事故、3割減る|香りを感じる
  3. ハラスメント関連の記事二つ:東大と警察 3番目の落書き帳/ウェブリブログ
  4. こんにちは フリスコ社労士事務所です: 東大元教授のアカハラ 「諭旨解雇相当」と退職金減

■関連テキスト項目

テキスト第2巻『従業員・株主に関するコンプライアンス』

No.02「セクハラ、パワハラ」

02_セクハラ、パワハラ

■関連する法令

民法(民法第一編第二編第三編)

第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ
1 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
(2項以下略)

東京大学教職員就業規則

第32条(セクシュアル・ハラスメントの防止)
教職員は、東京大学におけるセクシュアル・ハラスメント防止のための倫理と体制の綱領に則り、人権侵害及び性差別としてのセクシュアル・ハラスメントをいかなる形でも行ってはならず、これの防止に努めなければならない。

第38条(懲戒の事由)
教職員が次の各号の1に該当する場合には、懲戒に処する。
(1) 正当な理由なしに無断欠勤をした場合
(2) 正当な理由なしにしばしば欠勤、遅刻、早退するなど勤務を怠った場合
(3) 故意又は重大な過失により大学法人に損害を与えた場合
(4) 窃盗、横領、傷害等の刑法犯に該当する行為があった場合
(5) 大学法人の名誉又は信用を著しく傷つけた場合
(6) 素行不良で大学法人の秩序又は風紀を乱した場合
(7) 重大な経歴詐称をした場合
(8) その他この規則及び大学法人の諸規則によって遵守すべき事項に違反し、又は前各号に準ずる不都合な行為があった場合

第39条(懲戒)
懲戒は、戒告、減給、出勤停止、停職、諭旨解雇又は懲戒解雇の区分によるものとする。
(1) 戒告 将来を戒める。
(2) 減給 1回の額が労基法第12条に規定する平均賃金の1日分の2分の1を超えず、その総額が一給与計算期間の給与総額の10分の1を超えない額を給与から減ずる。
(3) 出勤停止 1日以上10日以内を限度として勤務を停止し、職務に従事させず、その間の給与を支給しない。
(4) 停職 2月以内を限度として勤務を停止し、職務に従事させず、その間の給与を支給しない。
(5) 諭旨解雇 退職願の提出を勧告し、これに応じない場合には、30日前に予告して、若しくは30日以上の平均賃金を支払って解雇し、又は予告期間を設けないで即時に解雇する。
(6) 懲戒解雇 予告期間を設けないで即時に解雇する。

東京大学教職員退職手当規則

第6条(諭旨解雇の退職手当)
1  就業規則第39条第5号の規定による退職願の提出の勧告に応じた場合の退職手当の支給額は、第3条第1項第1号に基づく支給額の3分の2以内の額とする。
2 就業規則第39条第5号の規定による退職願の提出を勧告し、これに応じない場合の退職手当の支給額は、第3条第1項第1号に基づく支給額の2分の1以内の額とする。
3 前2項の規定は、退職等した後にその者の在職期間中の行為に関し諭旨解雇相当との決定がされた場合に準用する。

■他の方のブログ

新語

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コイツらに、つける薬は何も無いな。

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コメント (1) »

  1. […] 東京大学 […]

    ピンバック by ニュースで学ぶコンプライアンス » 第2巻 従業員・株主に関するコンプライアンス — 2008/2/1 @ 22:41

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